定款は会社のルールブック
自然人である「ヒト」と同様に、会社も『人格』を有しています。
一般的に「法人」と呼ばれているもので、法律上の人格を意味します。
『人格』として認められているため、「権利能力」を有し、権利・義務の主体となる
資格が与えられています。
自然人の場合は、法律等で制限される場合を除いて、「権利能力」を制限される
ことはありませんが、会社は、「法律」または『定款』で定められた事項についてのみ
「権利能力」が認められています。
会社は、設立の際に、会社の根本規則である『定款』の作成が義務付けられて
います。定款の規定は、法律の範囲内で、会社が任意に定めることができます。
定款は、会社の事業目的や会社の組織、会社の運営に関する基本的なルールを
定めたもので、会社の「ルールブック」というべきものです。
定款で定められた内容は、法的な効果を持つことになります。
たとえば、会社の補助機関である「取締役」等が「定款規定外の行為」を行った場合
会社は、取締役とは別人格であるため、会社の行為としては「無効」となります。
この場合、仮に第三者が損害を被っても、会社自体は原則として、
損害賠償を行う必要はありません。
会社は、法律または、定款で定められた事項についてのみ、「権利」を有し、「義務」を
負うに過ぎないからです。
このように、会社が商行為を行ううえで、定款がいかに重要かということが、ご理解
いただけたと思います。
さて、新会社法は、株式会社、LLC(合同会社)、合名会社、合資会社の4種類の会社
形態を認めていますが、これらの会社を大きく分けると、「物的会社」と「人的会社」に
分類されます。
物的会社は、「モノ(会社財産)」を重視、人的会社は、「ヒト(構成員)」重視した会社です。
上記のうち、株式会社以外は、すべて人的会社に分類されます。
【物的会社】株式会社
【人的会社】LLC(合同会社)・合名会社・合資会社
いずれの会社形態も、会社設立時に定款を作成しなければなりませんが、定款の効力要件が異なります。
【物的会社】「公証人の認証」を受けることによって、定款の効力が生じる
【人的会社】「定款の作成」のみで効力が生じる
物的会社のみ「公証人の認証」が必要とされていますが、そもそも物的会社は、会社財産を基礎とした集合体であるため、
定款の内容を明確にして紛争や不正を防止する必要性があること、間接有限責任を負う有限責任社員のみで構成されているため、
債権者保護の観点から、定款を規制する必要性が高いことがその理由とされています。
新会社法では、これまでに比べて、定款自治の範囲が大幅に拡大されました。
これは、定款に定めることによって効力が生じる事項が増えたということで、会社の
組織や運営について、これまで以上に自由に定めることができるようになりました。
従って、今後は定款で何を、どのように定めるかが、重要なポイントとなるでしょう。
|