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現物出資規制の見直し

現物出資規制の見直し

株式会社においては、金銭で出資を行うことが原則ですが、例外的に、金銭以外の 財産をもって出資を行うことが認められています。
これが「現物出資」です。


「現物出資」は、会社が事業の遂行に必要な特定の財産を取得したり、出資者の便宜を図る必要性もあるために認められている制度です。
しかし、旧法においては、現物出資について、裁判所の選任する検査役の調査を受けなければならないこと、出資をした財産の価格が定款で定めた価格を下回る場合の差額について、発起人及び取締役が無過失責任を負うことなど、厳格な規制が講じられていたため、 実際には、ほとんど現物出資は行われていないというのが実情でした。


しかし、会社設立にあたり、金銭の代わりに、会社にとって必要な財産や特許などの 知的所有権を出資して会社を設立したいという要望は強く、新会社法においては、 こうした要望に応えるために、現物出資の利用を容易にするための見直しを行いました。


これまで、設立時の資本の5分の1以下、かつ、500万円以下の価格の財産については 調査役の検査を免除していましたが、新会社法においては、資本に対する割合の要件を廃止し、単純に500万円以下の財産については、検査役の調査を不要としました。
市場価格のある有価証券についても、市場価格を超えない場合には、検査役の調査は不要となりました。


現物出資の目的となる財産の条件は、次のとおりです。

譲渡可能なもの 貸借対照表に資産として計上できるもの


具体的にはどのような財産が現物出資できるのでしょうか。


■現物出資の目的となる財産の例■

「動産」 商品・原材料・PC・OA機器・事務用品・自動車
「不動産」 土地・建物・マンション・地上権・賃借権
「有価証券」 株券・社債券・国債証券・地方債証券
「知的財産権」 著作権・商標権・特許権・実用新案権
「のれん」 得意先関係・仕入先関係・営業上のノウハウ
「その他」 営業の全部または一部


これら現物出資の目的となる財産については、金銭出資と同様に、一定の期日までに、 全部を会社に給付しなければなりません。ただし、登記や登録等の「第三者対抗要件」については、現物出資後に行ってもよいとされています。


現物出資は、目的財産を不当に高く評価して株式数を取得するなどの悪用を防止するため、 目的財産の評価を適正に行う必要があります。
ただ、高価なものを相対的に安く評価することは禁止されていませんので、目的財産を 「相対的に低く」評価することで、無理なく、会社の資本金を増やすことができます。


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行政書士大塚事務所 代表 大塚裕一
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